読む世界史

書き残そう、世界の歴史の物語

コラム~中華思想と易姓革命~

しま:さて、中国と言えばなんですか?

 

生徒:中華料理です!餃子大好きです!

 

しま:先生も好きです!餃子の王将に2か月に1回行くくらい好きです!でも王将のオススメはホルモンの味噌炒めです。ホルモンの旨みがじゅわーっと溢れ出てきて最高。あ、ちなみに中華料理の中華ってどういう意味か知ってる?

 

生徒:え??中華の中は、中国の中ですよね?…華ってなんだろ。“華やか”ってことかな??

 

しま:おぉ、するどい!まさに花が咲き誇っているように華やか、ってことなんですよ!よしっ、じゃあ今日はまず、漢民族の伝統的な思想について勉強していこう!

 

生徒:はい、先生!あ、頑張ったらホルモンおごってくださいね!

 

しま:いいぜ。さて、漢民族の“中華思想”は、“華夷思想”とも言われる。教科書だと“華夷思想”になっているから今日は“華夷思想”で説明していきます!

 

生徒:えっと“華夷思想”の“華”は、“中華”の“華”で良いんですよね?

 

しま:その通り!漢民族にとって、自国、自民族こそが政治・経済・文化の中心であり、世界で最も華やかであるという考え方、それが“中華”だ!

 

生徒:じゃあ“華夷思想”の“夷”は??

 

しま:これは“蛮夷”とか“夷狄”の“夷”で、漢民族の中国から見た、文化の遅れた低劣な地を指す言葉なんだ。簡単に言っちゃうと中国の周りの異民族を指してるということ。是非覚えておいて欲しいんだけど、異民族には東西南北それぞれで呼び方が付いている。東方の異民族が“東夷”(とうい)。南方の異民族が“南蛮”(なんばん)。日本史でも、安土桃山時代に南方から渡来したポルトガル人を指す言葉として使われた。そして、西方の異民族が“西戎”(せいじゅう)。北方の異民族が“北狄”(ほくてき)。以上!

 

生徒:もしかして、日本史で勉強した蝦夷地の蝦夷も、東北地方だから“夷”っていう字が使われてるんですか?

 

しま:おぉ、よく気づいたね!じゃあ次、中国と他国の関係性について詳しく見ていこう!キーワードは“朝貢”と“冊封”だ!

 

生徒:“朝貢”は聞いたことあります!どんな意味があるんですか?

 

しま:朝貢…それは世界の中心である中華帝国に対し、異民族の諸王たちがその中華皇帝の徳をしたって集い、貢ぎ物を献じるという、メイドインチャイナの考え方です!

 

生徒:なるほど。つまり対等な関係性では無いってことなんですね。

 

しま:そうです。で、中華皇帝は、徳をしたってやってきた異民族の諸王を、その土地の統治者として認めてあげるんです。それが“冊封”。するとそこに権威が生まれるわけです。この権威をもらうことが諸王にとっては大切で、たとえば、奴国は後漢から、漢委奴国王印をもらい、倭の卑弥呼は魏から親魏倭王印をもらうんですよ。

 

生徒:へー…なんかイメージがつかめてきました!

 

しま:では、“華夷思想”おしまい!次に中国における王朝交代の理論について勉強しておこう!

 

生徒:中国ってたくさん王朝が代わってますもんね!

 

しま:まず、王朝は一体誰が始めるのかっていうと、それは天子です!(天使じゃないよ。)天子とは、優れた徳を持った人格者のことで、天帝から天命を受けて王朝を始めるわけです!

 

生徒:天天天天言ってますが、なんとなくなるほど!

 

しま:ただ、もし天子が道理から外れた行いをすると、天帝は何かしらの災害を起こして警告をしてきます。「お前、このままじゃダメだぞ。やばいぞお前。」って。

 

生徒:なんて親切!

 

しま:それでも天子の行いが変わらなければ「天帝は天命を革(あらた)めて、王朝の姓を易(か)える」のです。これぞまさに“易姓革命”!!!

 

生徒:おぉ!なるほど!“革命”っていう言葉は、“天命が革まる”っていうところから来ているんですね!

 

しま:そういうこと!王朝の姓…つまり名字が易わるから“易姓革命”ってわけ!ちなみに、平和的に政権を譲り受ける王朝交代を“禅譲”と言い、武力によって政権を奪取する王朝交代を“放伐”と言う!孟子が理論付けました!はい、今日はこれでおしまい!

 

生徒:先生、頑張ったんで約束通りホルモンの味噌炒めおごってください。

 

しま:いつも頑張ってるから別に良いんだけどさ…君、先生の徳をしたってくれてるの??

 

生徒:当たり前じゃないですか先生!先生と居ると、とってもお得です!

 

しま:いや、そのとくかーーーい!