読む世界史

書き残そう、世界の歴史の物語

No.5(東)アッシリア帝国

しま:今日のテーマはずばり古代オリエントの統一です!ここまでオリエントの地にはいろいろな民族が登場してきたよね。場所とか名前とか、全部覚えてる?

 

生徒:もちろんです!右にHappiness、左にFlower、前がDreamで後ろにGirlsです!

 

しま:いやそれE-girlsだから!

 

生徒:よくつっこめましたね!ファンですか!?

 

しま:いや、別にファンじゃないよ!調べたよ!で、話は戻すけど、前7世紀前半に、オリエントを初めて統一したのがセム語族の“アッシリア人”だ!

 

生徒:先生!アッシリア人って、どっから登場してきたんですか?

 

しま:さて問題!どっからでしょう!ちなみに、実は既にヒントを出しているよ!「ここからすごいやつらが自立してくる!ってことを頭に残しておいてください。」って言ったの、覚えてない?

 

生徒:あ!!!思い出しました!確かそれって……ミタンニ王国ですよね!

 

しま:その通り!アッシリア人は、前2000年頃から北メソポタミアに居住し始めて、前15世紀頃からはミタンニ王国に服属していたんだけど、前13世紀頃に自立し、そして念願のオリエント初統一を果たし、世界帝国となるのです!

 

生徒:おぉ!…って先生…僕をなめちゃダメですよ。確かこの時、ユダ王国だけは独立を維持していたはずです。ヘブライ人の歴史のところで勉強しました。

 

しま:素晴らしい。今、オリエントを初統一!とは言ったけど、ユダ王国は含まれていないんだったね。イスラエル王国を征服したのは、アッシリアサルゴン2世だけど、ユダ王国を征服するのは、この後に出てくる新バビロニア王国!ここポイント。

 

生徒:先生…でもなんでアッシリアユダ王国を除くオリエント全域を征服することができたんですか?強さの秘密は何ですか?

 

しま:アッシリアは、鉄をうまく取り入れ、鉄製の武器と戦車を使用した。そして騎兵隊を導入したんだ!この騎兵は弓で攻撃する。なんで弓かっていうと、馬にはまだ鞍もあぶみも無かったから。騎兵が鞍のない状態で槍を持って敵を突くと、その反動で馬の後ろに飛んでいくし、あぶみ無しで剣を振りおろせば、馬の横に滑り落ちちゃう。だからバランスが取れる弓を使っていたんです。

 

生徒:なるほど。

 

しま:さて、全盛期の王<アッシュル=バニパル>の名前と業績をおさえよう!彼は国内を“州”に分割し、駅伝制を設けて、各地に“総督”を派遣して統治した。ちなみに首都はニネヴェで、ここには粘土板を集めた大図書館があったんだ。

 

生徒:あれ?でも先生、教科書見るとアッシリア帝国って前612年に滅んでますよ?統一してから50年くらいしか経ってないじゃないですか!なんでこんなに短命で終わっちゃったんですか?

 

しま:簡単に言えば、厳し過ぎたからなんだ。プリントには強制移住や重税って書いてあるけど、それに加えて反抗的な人間は、生皮を(ピー)して、見せしめに(ピー)したりしたんだって。恐ろしいだろ?

 

生徒:うわぁ…なんと威圧的なやり方なんでしょう…こんなんじゃ誰もついてこなくなりますよね。

 

しま:そうなんだ。こういうのを武断政治と呼ぶ。その厳しさがあだとなって、各地で服属民の反乱が起き始める。結局、その反乱を抑えきれずに前612年にアッシリアは滅亡してしまうんだ。“アメとムチ”ならぬ“ムチとムチ”の政策に、帝国内の人々は耐えられなかったというわけ。世の中ってのは、厳しすぎても甘すぎてもダメなんだ。大事なのは緊張と緩和。

 

生徒:先生も、やっぱりアメとムチを大切にしてるんですか?

 

しま:もちろん!良い点数を取ればいっぱい褒めるし、全然勉強してこなかったら課題を課す!当たり前のことだけど、それが大切なんです。

 

生徒:いやー…先生は本当にかっこいいです。先生に一生ついていきます!!!

 

しま:You Just Follow Me!!!