読む世界史

書き残そう、世界の歴史の物語

No.6(東)アケメネス朝ペルシア

生徒:先生、タピオカ好きなんですよね?良いですよね、タピオカ。そもそもタピオカっていうネーミングが絶妙でかわいいですよね!

 

しま:そうなんだよ!かわいいよね~。もし将来自分に子どもができて、女の子だったら、名前をタピオカにしようと思ってるんだ!かわいいでしょ!?タピオカちゃん!

 

生徒:…どうか先生のところに男の子が生まれますように…。

 

しま:え?あ、そう??ちなみに男の子が生まれたら名前はでんぷんね!かっこいいでしょ!?でんぷんくん!

 

生徒:ヨウ素液ぶっかけられますよ。

 

しま:紫になっちゃう…。さてさて、くだらない冗談は置いといて…今日はアケメネス朝ペルシア[前550~前330年]の歴史だ!アケメネス朝がメディアから自立してきたって話は前回もしたね!ちなみに、ペルシアって今のどこを指しているか分かる?

 

生徒:はい。イランです。

 

しま:その通り!ってわけで、アケメネス朝ペルシアを建てたのはイラン人ってことになるね。彼らはインド゠ヨーロッパ語族だ。今回はエジプトの時みたいに王様ごとに業績を整理していく形で進めていこう!

 

生徒:先生…王様の名前が覚えられそうにありません…なんか良いゴロ、無いですか??

 

しま:仕方ないなぁ…アケメネス朝の王は、順番に「急患、誰です?ダレイオス!」で覚えよう!“急”で“キュロス2世”。“患”で“カンビュセス2世”。“誰です?”が“ダレイオス1世”で“ダレイオス”が“ダレイオス3世”ね。OK?

 

生徒:ラストのダレイオス3世の強引さがすごいですね。あれ?ってかクセルクセス1世が抜けてませんか?

 

しま:そうだね。抜けている。そこは自力で、ファイト。

 

生徒:なんと。

 

しま:よし、じゃあまずは建国者である、キュロス2世の業績から!彼のポイントは2つ!まず1つ目は、エジプト以外の3王国を征服したこと!まだ、全オリエントを統一したわけじゃないってのがミソだぞ。で、2つ目が、前538年に新バビロニア王国を征服して、ヘブライ人をバビロンから解放したこと!これはよく出る!以上。

 

生徒:なるほど。ってことは次のカンビュセス2世がエジプトを征服して、オリエント再統一ですか?

 

しま:エクセレント!ちなみに先生は「カンビュセス2世で完備です。」って覚えているよ。微妙だよねー。で、いよいよ出てきましたダレイオス1世!この人は覚えることが盛りだくさん!

 

生徒:もう沢山です…。

 

しま:甘いこと言ってないで!まず、新年のお祭りなどを行うための祭都としてペルセポリスの建設を始めた!

 

生徒:あれ?それって普通の都とは違うんです?

 

しま:実は、アケメネス朝には都が4つもあって、それぞれに役割があったんだ!政治の中心はスサ、儀式を執り行う場所がペルセポリス!他にも、夏の王宮エクバタナと、冬の王宮バビロンがあったんだよ!

 

生徒:そりゃすごい!ってか今地図見たんですけど、アケメネス朝ってめちゃくちゃ広いですね!広すぎちゃん。

 

しま:そう!なんたってエーゲ海の北岸からインダス川までぜーんぶだからね!だからダレイオス1世は国内を20の“州”に分割して、各地に“サトラップ”と呼ばれる知事を派遣した。このサトラップが地方の人民を支配して、徴税と治安維持にあたっていたんだよ!

 

生徒:え、でもサトラップが好き勝手にやってたらどうするんですか?ダレイオス1世一人じゃとうてい見きれないですよね?

 

しま:そ・こ・で!ダレイオス1世は、国王直属の監察官を地方に派遣した!これを「王の目・王の耳」という!

 

生徒:なるほど!見張り役ってわけですね!でも、いざ遠くで何か問題が起こったとしても、すぐに駆けつけられなくないですか?

 

しま:そのために整備されたのが「王の道」だ!この王の道、スサからサルディスまで繋がっている。スサは行政の中心地だから良いとして、どうしてサルディスまで繋がっているか分かるかな?

 

生徒:えっと…サルディスって確かリュディア王国の都でしたよね?…リュディアと言えば………あ!世界初の金属貨幣だ!

 

しま:その通り!実はリュディアの貨幣がギリシアに伝わって、ギリシアの繁栄を支えたんだ!そして、ダレイオス1世の生きた前5世紀と言うのはまさにギリシアの絶頂期。つまり、ダレイオス1世は、ギリシア繁栄の背景となった地中海交易を狙っていたんだよ!

 

生徒:なるほど!王の道ってのは、軍道であると同時に、重要な交易ネットワークでもあったんですね!

 

しま:ちなみにこの王の道、全長約2400kmもある。だから駅伝制を整備した。

 

生徒:駅伝制ってなんですか?

 

しま:スサ~サルディス間に役人や馬を配置した宿駅を111ヶ所設けて、ながーい距離を効率よく移動するためのシステムを整えたんだ!これが駅伝制!

 

生徒:あ~!じゃあお正月にやってる箱根駅伝と同じですね!中継所にあたるのが宿駅ってわけだ!

 

しま:そういうこと!州に分割したり、駅伝制を整備したり、このへんはアッシリア帝国を参考にしているのがよく分かるよね!

 

生徒:あ!先生!!!アケメネス朝ペルシアって220年も続いたんですね!これだけでかい帝国を220年も維持するなんてすごくないですか!?なんか秘訣でもあるんですか!?

 

しま:コツは“アメとムチ”だよ

 

生徒:あーーー!!!そうだ!大事なのは緊張と緩和だった!アッシリア帝国の時は厳しくし過ぎて短命に終わった…ってことは、アケメネス朝は…?

 

しま:寛容策を取ったんだ!例えば、迫害されていたユダヤ人には信仰の自由を与えたし、フェニキア人やアラム人の交易も保護した!儲かればそれだけ国全体の税収も増えるしね!

 

生徒:なるほど!でも、そんなアケメネス朝も最後は滅ぶわけですよね。滅んだ原因は…外からの攻撃ってことですか?

 

しま:その通り。厳しくし過ぎたアッシリアは、帝国内の反乱で滅亡に追いやられた。対して、寛容策を取ったアケメネス朝は、外からの攻撃で滅亡してしまう!

 

生徒:だれですか!いったい誰が攻撃したんですか!

 

しま:アレクサンドロス大王という人物。アレクサンドロス大王のことはまた今度、西洋史の“ヘレニズム”というところで詳しく勉強するよ!

 

生徒:分かりました!

 

しま:とりあえず今日は、アケメネス朝最後の王であるダレイオス3世を見て終わりにしよう!ダレイオス3世は今言ったアレクサンドロス大王と2回も戦います!1回目が前333年のイッソスの戦い、2回目が前331年のアルベラの戦い。ダレイオス3世は、アルベラの戦いに負けて、逃げてる途中に部下に裏切られて殺されちゃう。そして前330年、ペルセポリスが陥落し、ここにアケメネス朝滅亡です。

 

生徒:前330年…“さんさんと燃えるペルセポリス”…ですね。

 

しま:お、うまい。さて、キリが良いから今日はここまで!次はイラン文明だ!