読む世界史

書き残そう、世界の歴史の物語

No.5(西)ペルシア戦争

生徒:さくらーふぶきのーさらみーの空へーーー!

 

しま:いや!サラミじゃないから!サ!ラ!イ!…なんだよサラミの空って!意味わかんないだろ!

 

生徒:いやでも、“サライの空”だって意味わかんないですよ。

 

しま:確かに。…ってそんなことは置いといて!今日のテーマはペルシア戦争!前500年~前449年にかけて行われたギリシアとアケメネス朝ペルシアとの戦いだよ!

 

生徒:えっとー…戦争のきっかけは、アケメネス朝からの重税に耐えかねたミレトスを中心とするイオニア地方のギリシア人たちの反乱ですか!

 

しま:その通り!ミレトスの反乱自体はすぐに鎮圧されちゃうんだけど、この反乱をアテネが援助していたことにペルシア王は怒るんですね。それで、ペルシア軍がギリシアへ侵攻してくる…と。ちなみに、この時のアケメネス朝ペルシアの王は、あのダレイオス1世だよ。

 

生徒:おぉ、ダレイオス1世!サトラップとか王の目とかの人ですね!

 

しま:そう!忘れちゃった人は復習しておこう。さて、ペルシア戦争は大きく3回に分けられるんだけど、第1回はペルシア軍が嵐で難破したことで失敗に終わる。そして第2回が、前490年のマラトンの戦いだ。

 

生徒:マラトン??…あ!先生その話聞いたことあります!確か、ペルシアに勝利したことをいち早くアテネに伝えようとした1人の兵士が、戦場からアテネまで走って帰って息絶えた…っていう話があって、それがもとになってマラソン競技が始まった!ってやつですよね!?

 

しま:…微妙にニュアンスが違うかな!たぶんみんな「走れメロス」的な物語を想像してるんじゃないかと思うけど、実際に走ったのは1人じゃなくて、重装歩兵1万人くらい。なぜ走ったのかと言うと、無防備なアテネにペルシア軍に先回りされるのを防ぐためです。このへんは地図を見るとわかりやすいよ!

 

生徒:なるほど。ってかやっぱり重装歩兵って強いんすね。

 

しま:ちなみにマラトンの戦いでギリシア側を率いたアテネの将軍がミルティアデスという人です。ちなみに僕はこの人のこと、「マラソンでミルク嫌です。」と、覚えました。給水所にミルクがあったら嫌ですもんね。

 

生徒:それで!この後どうなるんですか!?

 

しま:マラトンから10年後の前480年、今度はクセルクセス王率いる30万人のペルシア軍が、バルカン半島を南下する形で攻め込んで来ました!対するは、スパルタを中心とした1万足らずのギリシア軍…。これをテルモピレーの戦いと言います。結果から言えばスパルタが大負けしてしまうんだけど、この時スパルタ軍は一人ひとりが最後の最後まで全力で戦った。この戦いの指揮を執ったスパルタの王がレオニダス。映画『300』の主役になっている人物です!

 

生徒:『300』って、テルモピレーの戦いをテーマにしていたんですね!

 

しま:さて、こっからが今日のメインディッシュですよ!前480年、サラミスの海戦!何が何でも覚えてください!

 

生徒:どうしてそんなに重要なんですか?

 

しま:なんたって、このサラミスの海戦をきっかけに、アテネの民主政が完成するからです!さて、復習。民主政の完成には、あと何が必要だ、って前回話したっけ?

 

生徒:はい!無産市民の戦争参加です!

 

しま:そうだったね。それができたのがこのサラミスの海戦なんだ!当時の海戦っていうのは、船の先端に付けた鉄の塊を、相手の船の横っ腹にぶつけて、穴をあけて沈めるというものだった。だからとにかく機動力が大事。そのためにアテネの軍船は、漕ぎ手を三段にする工夫がなされていました。三段櫂船と言います。当然、大勢の漕ぎ手が必要になってくる。そこで活躍したのが、それまで戦争に参加することが出来なかった無産市民たちなのです!!!

 

生徒:三段櫂船の漕ぎ手として無産市民が活躍した、ってことですね!これでもう、無産市民も政治的地位を向上させないわけにはいかないですね!

 

しま:ちなみにサラミスの海戦を率いたアテネの将軍がテミストクレス!頻出です。ペルシア側は、テルモピレーと変わらずクセルクセス王ね。

 

生徒:そして、1年後の前479年に起きたプラタイアイの戦いとミュカレ海戦でギリシアが勝利し、ペルシア戦争自体の勝敗も、ギリシア側の勝利が確定した…というわけですね!

 

しま:はい!でももしかしたら、またペルシアが大軍を率いてやってくるかもしれない!備えあれば患いなし、ってことでペルシアの復讐に備えて前478年に同盟を組みます!その名もデロス同盟。盟主はもちろんアテネです。

 

生徒:しま先生…戦争の名前と順番が覚えられません。何か良い語呂は無いでしょうか…?

 

しま:しょうがないなぁ…いい?今回は何といってもマラソンだ!マラソンと言えばなんだ??そう、24時間テレビだな。ゴールした先に待っているのはサラ…??よし。

 

「待ってるサラミ。」

 

生徒:えっと…。“待っ”が“マラトン”で、“てる”が“テルモピレー”で、“サラミ”が“サラミス”ですか?ってか、武道館で最後に大合唱する曲ってサラミじゃなくてサライですよね?あと、プラタイアイの戦いが語呂に入っていませんよ?

 

しま:気にしない!プラタイアイは「プラスでなんかあったよなぁ…」って覚えておけば大丈夫!プラスの“プラ”がプラタイアイに繋がるから!

 

生徒:強引すぎ!!!