No.3(発展)ギリシア・ヘレニズム文化Ⅱ(文学・建築)
しま:さぁ!ギリシア・ヘレニズム文化の2回目です!どんどん行きましょう!まずは叙事詩!
生徒:先生!「叙事詩」と「叙情詩」の違いってなんですか?
しま:漢字の通りよ!叙事詩は事柄について述べた詩で、叙情詩は感情を中心に述べた詩です。私たちが「詩」と言われて真っ先に想像するのは叙情詩の方だろうね!
◎叙事詩
<ヘシオドス>…『労働と日々』『神統記』
しま:ホメロスの書いた『イリアス』は、トロイア戦争中のお話で、『オデュッセイア』はトロイア戦争後のお話。ヘシオドスの『労働と日々』は、奴隷による労働が蔑視されていたギリシアでは異色の作品で、貴族に媚びをうるんじゃなく、日々の勤労こそが正義である!と説いている教訓めいた詩です。『神統記』の中にはオリンポス12神のことがまとめられている。続いて叙情詩ですが、とりあえずサッフォーという人だけ覚えておいてください。この人はレスボス島出身の女性詩人です!
生徒:お!次はお待ちかねの演劇ですね!わくわく!
しま:観劇はアテネ市民の“義務”だったくらいに当時は演劇が盛んでした!コンテストが開催されたり、1万4000人も収容できる劇場があったりと…もう演劇好きには最高の時代です!そんな演劇、大きく悲劇と喜劇に分けられます!
◎悲劇
<エウリピデス>…『メディア』
しま:この3人は、三大悲劇作家として全員セットで覚えてください。『オイディプス』は、知らずのうちに自らの父親を殺し、母親と交わり、やがてテーベの王となった主人公が、自らの素性を知って苦悩する…という作品で、日本でもたまに上演されています。2008年の高校演劇全国大会で、長野県の岡谷南高校が上演したのを見て私は衝撃を受けました。高校生がこんなお芝居をできるのか…と。
◎喜劇
<アリストファネス>…『女の平和』『女の議会』
しま:アリストファネスはソクラテスと同時期の人!『女の平和』は、アテネとスパルタの女性たちが協力して、性的ストライキを用いて男たちの戦争を終わらせるという内容の作品で、ペロポネソス戦争中に書かれています!これらの作品は、女性を政治や公共の場から追い出していたアテネ民主政に対する鋭い風刺がこめられていますね。はい、演劇も以上!続いて歴史学。
◎歴史学
<トゥキディデス>…『歴史』(ペロポネソス戦争史) “客観的な史料批判”
しま:ヘロドトスは「歴史の父」と呼ばれる人物。ヘロドトスの『歴史』はペルシア戦争について物語風に書いた作品で、トゥキディデスの『歴史』はペロポネソス戦争について史料批判に基づいて書いた作品です。全く同じタイトルだけど”題材にしている戦争が違う”ってところに注意しましょう!続いて医学。
◎医学
<ヒッポクラテス>…「医学の父」
しま:ヒッポクラテスは、最もつらい病気として「うつ病」をあげています。うつ病は「どんな病気よりもしっかり治療しなければならない」というのがヒッポクラテスの教えです。なかなか鋭いです。辛いときは頼れる人に相談してください。さぁラストは建築様式です。
生徒:あ、先生…これは文章じゃ伝えられないですよね。どうします?
しま:とりあえず見分けるポイントを教えよう!注目すべきは柱と屋根との境目の模様!この部分の装飾がそれぞれ違ってきます!
◎建築様式
ドーリア式…初期の様式[前6~前5世紀]…とってもシンプルな鉢型。
イオニア式…中期の様式[前5~前4世紀]…渦巻の装飾が特徴的。
コリント式…末期の様式[前4~前2世紀]…アカンサスの葉の装飾が特徴。
しま:よく出題されるのがパルテノン神殿は何式でしょう?って問題だ。アテネにあるからイオニア式かなー?って思うけど、パルテノン神殿はドーリア式!ちなみにこのパルテノン神殿建立の際に総監督を務めたフェイディアスという人物の名前も覚えておきましょう!
生徒:そういえば、パルテノン神殿を再建するとかで、デロス同盟の資金を勝手に使っちゃったことが原因でペロポネソス戦争(前431年~)がはじまっちゃっうんでしたよね!
しま:そうだね!復習する姿勢、素晴らしいです!よし!じゃあ残りの文化は次で片づけちゃいましょう!