読む世界史

書き残そう、世界の歴史の物語

No.2(東)エジプト②

しま:さて、エジプトの続きです。エジプト新王国には、有名な4人の王様が居る。トトメス3世➡アメンホテプ4世(=イクナートン)➡ツタンカーメン➡ラメス2世。この4人の王の業績を追っていきましょう!

 

生徒:がんばります!

 

しま:ではさっそくトトメス3世から。この人は簡単。”最大版図”それだけです。問題は次のアメンホテプ4世。この人は“エジプトの宗教改革者”なんて呼ばれている。これがどういうことか…まずはエジプトの宗教について見ていこう!エジプトというのは多神教の国家。一番えらくて人気のある神様はラーと呼ばれる太陽神で、その他にも各都市にそれぞれ守護神(都市神)がいる。で、その王国の首都神+ラー神を合体させた形で呼ばれ、信仰されていたんだ。

 

生徒:ってことは、首都を確認しないとですね!

 

しま:古王国はメンフィス、中王国はテーベ、これはもう勉強した!で、新王国もテーベなんだよ。テーベに都を置いている時代がかなり長く続いている。だから、テーベの神様が崇拝される時間が長かったということになる!ちなみに、テーベの神様はアモン神だ。これはアメン神とも言うよ。

 

生徒:ってことは、アモン神とラー神を融合させて、アモン゠ラー神を長い間崇拝していた…ってことですか?

 

しま:まさしくその通り!と、ここである問題が起きます。なんとアモン゠ラー神に仕える神官たちが王以上に力をつけてくるのです!みんなも神様に拝む時って、お布施とかお賽銭を持っていくよね?それをこの時代の神官たちは私利私欲に駆られて自らの懐に入れちゃうんです。で、そのお金を使って政治を操っていくのです!

 

生徒:なんと!政治が腐敗しちゃうじゃないですか!!!まぁいっか!!!

 

しま:良くない!wまぁ、適当な王様なら政治は全部神官任せで遊んでいれば良いから楽なんだけど、正義感を持つ王はそんなの黙って見ていられないよね?その王がアメンホテプ4世なんだ。彼は金で政治を操る腐敗しきった神官団を排除しようと考えた!

 

生徒:そのためには、んーと………神官ってのは首都の神様に仕えているわけだから………分かった!首都を遷しちゃえば良いんだ!

 

しま:その通り!彼は当時未開の地だったテル゠エル゠アマルナに新都を築き、そして神様をアトン神に変えるのです!そして、自らの名前をイクナートン(アトン神に愛される者)と改名し、自らがアトン神に仕える神官だと宣言するのです!

 

生徒:そうすれば、イクナートンに信頼もお布施も集まる!

 

しま:そうなんだ。彼はその余ったお金で様々な芸術品を作った。それでこの時代にはアマルナ美術という写実的な芸術が栄える!んだけど…

 

生徒:だけど、その繁栄も長くは続かない…?

 

しま:まさしく。イクナートンの死後、その子であるツタンカーメンが王になるんだけど、彼はまだ小さな子どもだった。結局ツタンカーメンは、財宝や権力を狙う大人たちの様々な陰謀によってアモン信仰を復活させてしまうのです…

 

生徒:え!ツタンカーメンって有名なのに、業績はアモン神を復活させただけですか!?

 

しま:そうだよ。大した業績が無かったからこそ、墓が小さくて盗掘されなかったと言われている。で、最後は“征服王”と呼ばれるラメス2世。ラメス2世が出てきたら絶対覚えなくちゃいけないのがカデシュの戦いだ!これは紀元前1286年頃、南進してきたヒッタイトとの戦争で、世界初の国際条約と結んだと言われている。この戦争は、結局引き分けに終わるんだけど、彼が建設させたアブシンベル神殿には、まるでエジプトが勝ったかのような壁画が残されている!あと、これは後で詳しく話すけど“出エジプトの時の迫害者”というフレーズだけ覚えておいてね!

 

生徒:わかりました!これでエジプト新王国も終わりですよね?なんとか覚えられそうな気がします!

 

しま:あ、あとエジプトとメソポタミアはよく比較されるんだけど、エジプトは太陽暦を採用で、数の記述法は十進法だ。これで完璧だね。

 

生徒:メソポタミアと混ざらないように整理しておきます!